6月13日、ヤフーがツイッターの投稿を検索できる「リアルタイム検索」を強化したという発表がありました。

「リアルタイム検索」自体はちょうど1年前の2011年6月14日にリリースされています。それ以前はGoogleの「リアルタイム検索」を使っていた方もいたと思いますが、GoogleとTwitterとの契約終了によりこの機能がなくなってしまいました。変わってTwitterと契約したヤフーが始めたのがヤフーの「リアルタイム検索」です。

そう言うと、「今でもGoogleでツイッターの投稿が検索出来るじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「リアルタイム検索」はデータの新鮮さと量が圧倒的に違います。

少し細かくなりますが、検索エンジンにどのように表示されるかを説明します。
検索エンジンは、「クローラー」と呼ばれるロボットを定期的にネット上に巡回させて、サイトの情報を収集します。簡単に言えば、検索エンジンのデータベースにWEBサイトをコピーして蓄積していきます。そして蓄積したデータから独自の判断基準に基づいて表示順位を決定しているのです。

「クローラー」に見つからなければ、当然検索結果には表示されませんし、判断基準に合わなければ上位に出てくることはありません。
また「クローラー」というロボットが理解しやすいサイト構造と、しにくい構造があり、発見されたからといって必ず登録されるという訳でもないのです。
ですからWEBサイトの構造と内容・運用によって、サイト公開・更新してから検索結果に表示されるまでの期間は、早くて1日から数日、通常1週間から2週間、悪ければ表示されない、という事になります。

これをなるべく早く上位に表示させるようにサイト構造や内容、運用を工夫するのがSEO(検索エンジン最適化)です。
このやり方で正しいSEOとずるいSEOがありますが、ずるいSEOをやっていると全く表示されなくなる可能性もあるので、気をつけて下さいね。

で、Googleなどで過去のツイッターの投稿が表示されるのは上のようなプロセスの結果ですが、「リアルタイム検索」はTwitter社から直接データ提供を受けていますから、正に「今」の情報をオリジナルデータから検索出来るという点で全く違うものなのです。

このリアルタイム検索で、今回強化されたのは 次の2点です。

  1. データの保持期間を従来の7日間から30日間に延長した。
  2. 検索したキーワードに関するツイートの数を時系列でグラフ表示。

私はこの1.の30日への延長が、実はかなり大きい可能性を持っているのではないかと思っています。
ツイッターは情報を得るには非常に良いツールですが、難点はツイッター自体の日本語検索が弱くたまたま目にした情報でなければ伝わらないという面がありました。
これは情報を発信する側から見れば、うまく拾われてRT(リツイート)されれば広く拡散されて大きな効果を発揮するんですが、拾われなければ無駄な発信になってしまいます。
この投稿ノウハウが必要なこともありツイッターは今ひとつ情報発信ツールとして十分に活用されてこなかった面もあると思いますが、リアルタイム性に加えて30日というアーカイブ性が加わるのであれば情報発信の手段として見直しても良いのではないでしょうか。

当然この「リアルタイム検索」が使われるということが前提にはなりますが、ぜひ一度使って見てください。

http://search.yahoo.co.jp/realtime

私は非常に便利で面白いと思います。ニュースなどで気になった言葉を検索した時に、やっぱり「今」どんな意見が交わされているか知りたいですよね?
また話題の商品やサービスなんかも中々ドンピシャ(古!)のページが出てこなくてイライラする事もあるかと思います。これだけ情報の流れが速くなっている時代に実は検索のシステムはついていけていません。検索で出てくるのは「今」ではなく少し古い何日か前の情報なんです。

これを先のSEOの観点から見ても、今までのSEO対策だけでは不十分なことが分かります。
「WEBサイトの情報はしっかり更新したから大丈夫!」と思っても、リアルタイム検索では表示されません。それが検索サイト上で表示されるのは何日か、または何週間後なのです!
それでもユーザーにとって、有益な情報でいられるでしょうか?もしかしたらツイッターで見た他社の最新商品を購入してしまった後かもしれません。
だからこそ既存の検索行動へはしっかりと対策した上で、ソーシャルメディアに対しての情報発信とSEOについても検討しておく必要があるのです。

ご存知の通り、ソーシャルメディアの普及に伴って情報の取り方、拡散の仕方が大きく変わってきています。一部でニュースになるような面もありますが、ソーシャルメディアが生活に深く関わりコミュニケーションツールの一つとして今後も使われていく事も間違いありません。スマートフォンの普及もこの流れに拍車をかけていきます。この新しいメディアに対してどのように自社サービス、商品を発信して行くか、これを機会に考えてみてはいかがでしょうか。

Yahoo!検索スタッフブログ
http://searchblog.yahoo.co.jp/2012/06/realtime_search_graph.html

ツイート検索が便利になるYahoo!リアルタイム検索2つの新機能(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2133957494114838901

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